歩みをとめて

今回の旅では多くの都市、町を歩きに歩いて、また様々な建物を空間体験してきました。

まずは旅の前半に訪ねたスペイン占領時代のコロニアルな影響の多く残る街の考察。

スペインの植民地時代にこれらの都市は広場を中心に綺麗な碁盤の目に区画が整理され、区画はクアドラと呼ばれています。スペイン語圏で道を訪ねると3クアドラ先のエスキーナ(角)を右、左といった表現で説明されます。

これは碁盤の目に生まれ育ってきた人々の体感尺度そのもので街に対する愛着を持った表現方法といえます。このクアドラは実に人間的、ヒューマンスケールな単位で広場をしばらく歩いて、疲れを感じたころに次の広場が表れ、そこには木陰がありベンチがある、つまりは人が自然に集うことを目的にした街づくりといえます。

地形的な理由、流通、気候など様々な要因からそれぞれ細かな類型に分類はできますが、基本的には"人が集うこと"を中心に考えられた都市計画は街に活気をもたらし、余暇、買い物、散歩など様々な目的の人々で街は賑わいを見せています。

日本の様に経済が大きく発展すると、この様々な目的が機能集約され買い物は郊外のショッピングセンター、余暇はレジャー施設といった具合に人が集まる街が分解されそれぞれの機能が地域に点在する現象が起きてきます。これは日本に限らず、ここ南米にあってもサンチアゴ、ブエノスアイレス、サンパウロなどの大都市では同様の都市形成がなされていっています 。

ただ都市の魅力は何といっても”人”です。

旅人という偏った視点からですが、様々な場所や
地域を訪ねて、魅力的だなと感じる所はやはり 沢山の人で賑わっているものです。人が集まることでそこには様々な欲求が生まれそれを 満たすかたちで街は成長をします。

具体的には、ひとは何かを食べ、排泄し、楽しみ、暮らし、育む ETC...

つまりは都市とは欲求を満たす為の器ではないでしょうか。そしてこれらが発展を続けている途中段階が様々な要素が混在し互いに相乗効果を生み出している状態、カオスが満ち魅力をもたらしているのではと考えます。これが進み流通の合理化、移動時間の短縮、経済合理性などの論理が働き出すと、残念ながら街の魅力はしだいに薄れしかし熟成した街へと成長をとげ安定した生活、暮らしが保障されるのだと感じます。

マクロから街を造る一設計者としてはこの発展途上のカオスに満ちた街の魅力を再び、経済合理性に捕われた現代の日本社会に少しでも復活出来ないものかと考えさせられます。

自分が暮らす秋田の街の活気のなさを日々感じるがゆえに切実にこうした思いが募ります。旅の途中街歩きを続ける中で、考えていたことの多くは、都市の生い立ちと、構造についてです。 ....つづく


つづきはまた後ほどブログにて



ご挨拶

今日からはいよいよ日本社会での長い旅が始まります。気を引き締め新たな出発に向けて早速準備を始めていきたいと思います。
途中やりかけの仕事を投げ出してご迷惑をおかけした皆様に失礼ながらこの場にてお詫び申し上げますと共に今後とも御指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

Seeyou!









最初の訪問地ペルーの首都リマについて

この街はスペイン占領下にアルマス広場を中心とした旧市街を典型的なコロニアル都市として形成され、都市の拡大と共にその骨格、つまりは碁盤の目を都市計画の基本として、新市街、周辺住宅地域が整備されています。

各地域は交通の動脈となる大きな道で繋がれ、路線バス等の公共交通により結ばれています。政治的な機能は旧市街に集約され、経済施設は近年新市街へ移転が進み集約化が図られてきています。比較的平坦な土地が続くこの都市は、拡大と共にその碁盤の目を拡げ、周辺住宅地にあっても中心地区とかわらず碁盤の目による、街区整備が整った街といえます。また比較的利用しづらい傾斜地には経済的に困窮した層の住宅地が広がり、現地住民もあまり近づかない地域となっています。




この街で特筆すべきは旧市街の歴史地区です。世界遺産に指定されるこのエリアはアルマス広場とそれに隣接するカテドラルを都市の中心機能とし、キリスト教を求心力に人々を呼び込み広場に滞留させています。

周辺にはレストラン、小規模店舗、宿泊施設などがひしめき合う様に小道の低層部分に営まれており、街に活気をもたらしています。金融やオフィス機能などが新市街に移転されてきているとは言えこのエリアには様々な品種品目を扱う商店やレストラン、宿泊施設などが混在している為、未だカオスや混沌が残っていて自然に人々を惹きつけ街は賑やかさを見せています。しばらく歩くと教会が現れ広場があるコロニアル都市の典型です。




この地域にはもうひとつ中心となるサンマルティン広場があり、この二つを結ぶのがメインストリ−トとなります。以前は泥棒市場と呼ばれ様々な露天がひしめき、決して治安は良くないが、今以上に魅力のある通りだったとの話です。




この街の構造はキリスト教会を中心に、人々を街に誘導し広場に滞留させ、周辺の教会や広場へと導くなか食事や買い物、商取引などの経済活動を促す事を目的に形づくられています。また、政府機関を併せて併設する事で宗教を治世の一手段とし最大限活用するスペインによるコロニアル都市の典型であると考えます。


現在ではキリスト教の求心力に加え魅力的な街自体が国内外を問わず観光客を招き、更なる活気を見せています。


インカの都-コロニアル都市のクスコについて

この街もスペイン占領下にあってキリスト教を中心とした街づくりが行われています。しかし、面白いことに占領以前のインカ都市の時代も同様にこの地に広場を中心に形成されていた為、街はインカの石組みを石杖にその上に築かれ、現在でも街の所々でその精緻な石組みを見ることが出来ます。

いつの時代であっても魅力的に人々をひきつける街の仕組みは変わらないことの証明ともいえます。



ではなぜ同じこの地に街が築かれたかと言うと地形的な要因が大きく作用しています。


標高3000メ−トルを超える周辺の山岳地域にあってこの地は盆地で、すり鉢の底が比較的広い平坦地なのです。都市を築くにはこの地しかない、正にそうゆう地理的要因が背景にあるからなのです。

土地の持つ力、気候、水理、風土などをこの場では”地勢”と呼びます。この地勢に素直に2つの時代の都市が形成されていったと考えます。地勢に従った街づくりや建築行為はなにもこの街に限った話ではなく、世界各地各国で見られ、永遠の都市の繁栄の為に用いられた風水や城壁城砦や城を築く際の築城術などがこれと同様の都市計画、建築計画の理念である考えます。



地勢を丁寧に読み、逆らう事の無い計画が時代を超えて共通して見られる事からもその重要性が実感できます。また都市や建築計画を行う実務者として、この地勢を読む力を常に養い、研鑽していくことの重要性も併せて感じさせてくれる街であると言えます。





都市構造としてはリマ同様のコロニアル都市である事に間違いは無いのですが、盆地で平野が限られている為、都市の拡大はすり鉢の側面である傾斜部分にスプロールし、住宅街が中心地を見下ろす形で立体的に構成され、独特の魅力に溢れた町並みを見せています。カテドラルや教会などの建築物には周辺の石材が主材料として用いられているため、街はリマのそれとは全く異なった印象を見せます。


つづく


マチュピチュについて

コロニアル都市に続きインカ遺跡の考察。

今回の旅の最大の目的地のひとつインカの遺跡マチュピチュに実際に訪れ、まず感じたことはそのスケールの大きさと独特な構想、そしてその構想が実際に実現してスペイン軍が侵略するまでの間、この密林の秘境に事実、人々の暮らしがあった事への驚きです。



現代社会の都市計画や都市構造のそれとは全く異なるシステムや社会要因から成り立っていたこの街(遺跡)の当時の姿、往来を心に想像することは実に楽しく有意義な時間でした。
考古学知識も私自身殆どありませんので一旅行者の私見で、現在使われていない都市、町、遺跡について感じたことや考えた事を述べたいと思います。


このマチュピチュの立地条件も、先に述べた”地勢”が大きな要因として挙げられます。しかし、それが現代のそれと大きく異なる点は流通、経済合理性といった今では当たり前の概念ではなく、地域や国の人々を一つにまとめる為の神殿、儀礼的施設の為の地勢がここに存在していると言う点です。


コロニアル都市ではキリスト教が人々を一つにまとめ国を統治する推進力であったように、このインカ都市では太陽神の力を統一原理とし、皇帝がその祭事儀礼をもって人々の生活、暮らしを約束していた事が推測されます。


皇帝一族を神格化し、その力を象徴的に表し、人々を惹きつける必要性から、このような密林の小高い山の峰にへばりつく様に計画配置されたのだと考えます。
この遺跡に限らず、世界各地に存在する文明遺跡はあるべき場所に当然にして存在しています。
小高い山の山頂、延々と広がる平原の中心、深谷の最奥...など、あるべき場所にそれらは存在する、と言うのが私の実感です。


人々が畏怖、畏敬の念を抱くとてつもなく巨大なもの、永遠の時の流れが創り出す光景を実現するための地勢が存在しているからこそ、それら遺跡はその地に存在したのだと思います。


特筆すべきは、このような秘境ともいえる地に、人々が暮らし続けていく為のハ−ドインフラ整備を実現していた高度な文明の力です。


テレビ・写真などで目にするマチュピチュ遺跡のあの特徴的な石組による建物群はそれ自身より数倍も規模の大きい、周囲のアンデネス(段々畑)によって支えられたもので、急峻な丘陵に平坦な農耕地を確保し居住者への食糧供給を可能にした農耕システムによるところが大きいと言うことです。


生活用水を継続して供給している灌漑施設には目を見張るものがあり、現在においてもこのような高地にあって、絶え間なく流れている水の姿を目にすると、驚きと畏敬の念をいだきます。



また、遺跡のインティワタナなどで皇帝一族によって行われてい神事や祭事も、すべてはこれら農業システムや灌漑などのハ−ド面に加え、ソフトから農業生産を支える知識・知恵の集合体である事からもこの高度な文明への驚きは絶えません。






地勢は時代や社会的背景、そして人々の要求に柔軟に応じて読み解く必要性のあるものだと感じます。


あるべきものがあるべくしてそこに存在する。


建築に限らず、人が創造するすべての人工物はかくあるべきだと思います。近年、経済変化の速度が急激に上がり街に仮設的、応急的な施設が溢れています。
数十年前までは土地に根付き代々生業を営む、こんな当たり前の生活風景が日本の各地に残っていました。農家や商家の建物も代々引き継がれ100年、200年と言うスパンで修繕、改築を繰り返しながらあるべくしてそこに有り、人間の生活を支えていました。


しかし今はどうでしょう...


生業の変化、時代の要求からどうしようも無い現実なのかも知れませんが、限りある資源を大量に用い、環境に対する負荷の大きい建築行為の青図を描く者として、地勢を適切に読み継続して存在が可能な建物・街の計画を行うことの重要性を再確認させられました。



建設の為の敷地や周辺環境に留まらず、広い視野と将来予見をもった俯瞰からの計画。これが施設や建物の利用者、ひいてはその建物が存在する都市や街の継続的な繁栄に繋がるのではないでしょうか。


つづく


チチカカ湖ウロス島について

続いて、特異的な生活スタイルのウロス島についての考察。

ここは都市ではなくチチカカ湖に浮かぶ土着的な居住空間が特徴的な生活エリアです。生業である漁業と密接する居住空間の確保を目的に、湖の上に自生植物トトラを用い大地(島)を築き、住居、台所、家具などの必要なものの殆どを、トトラで造り、暮らしているバナキュラーな生活が垣間見られる場所です。

集落全景



トトラ島の断面


石油化学製品、全国一律の建築材料に溢れた今の日本に暮らす私にとっては、地域で産出される材料で彩られる特徴的な風景が少し羨ましく、土着的で地域の特色を生かした発想の必要性を強く訴え掛けられる生活領域です。


島への入り口


トトラ製の舟


20世紀初頭に化石燃料が工業生産、生活の為のエネルギ−として本格使用され世界が経済的にそれまでに無いスピ−ドで発展する中、建築界でもユニ−バ−サルという考え方が一時期世界を席巻しました。
建築家、ミ−ス・ファン・デルロ−エの建物に代表されるこの考え方は、急速に拡大を続ける都市の構築に大きく貢献しましが、世界各地に均一で画一的な建物が建設されました。

ガラスと鉄により確保される居住空間を、石油エネルギ−を用いた空調システムにより、世界中どこにあっても安定した環境を確保する。経済活動の拠点となるオフィスビルなどにこの理念は適したもので、現在、私達が快適に経済活動を行えるのはこのユニバ−サルという考え方のお陰でもあります。

ミ−スは 『Less is more.』 という有名な言葉も残しています。より少ないことは、より豊かである という建築空間を構成するの為の理念ですが限りある化石燃料が底をつきかけている今、ユニバ−サルと対極にあるバナキュラ−な島の生活風景は、ミ−スとは異なる視点から、この言葉の意味の再確認を私達に問いかけます。


つづく


それではまた
Seeyouかわいい


 


魅力的なすり鉢ラパスについて

この街も前述のコロニアルと同様にクアドラ、エスキ−ナという単位で都市計画がなされていますが、特徴的なこの都市の構築には他の街とは異なる要因が影響を及ぼしています。

それが特殊な地形です。周囲を山に囲まれたすり鉢上の盆地は建築に適した平坦地が非常に少なく、底からせり上がるように街が形成されています。



この底の部分にあたる旧市街の中心にははカテドラルが配され、信仰の中心として機能していることはもちろん、商店や宿泊、レストランなどが集まり経済活動の中心としての役割も果たしています。





このすり鉢地形、都市に立体的な奥行きをもたらし、街区を歩いているとすり鉢の側面にへばり付いた家々が道の隙間から顔をのぞかせたり、街外れの高い場所からはこのすり鉢に密集して構築された街の風景を一望することが出来るなど視覚的に、この街に暮らす人々を楽しませます。





街は依然経済発展の途中段階で道路拡張などの措置がなされていない為に幅員が小さく、またすり鉢地形の為に、道はどこも急な勾配がついています。平坦地が殆ど無いことから建物は5〜6階建てで密集するように林立する、この周密した都市には、多くの人、車がひしめき合う様に集まり、混沌としたカオスが充満する魅力溢れる人間くさい街が形成されています。

経済活動の盛んな市場周辺は沢山の人で溢れ、歩くのもままならない程に道端に食品、電化製品、雑貨など多種多彩な商品が並べられ、行きかう人々の購買欲を刺激しています。



道路交通や地下鉄などの整備が不十分なこの街で暮らすことは、当然に先進諸国でくらす事に比べれば多大なエネルギ−を必要とし、不便であることは確かです。しかし、その不便さが現在の魅力であり、成長段階に溢れる人々の活気やエネルギ−を直に感じることが出来るこの街は、経済発展を遂げて熟成期に差し掛かりつつある日本に暮らす私達に、戦後私達の町にも事実存在した、発展する未来への希望に満ちた活力溢れる暮らしの魅力を思い起こさせます。

現代建築、コロニアル建築、インカ様の現代版建築などが無秩序に林立する街には、様々な商店、施設、飲食店、市場などが雑多に混在し、行きかう人々の欲求を満たしつつ、複雑な魅力を創生しています。









豊かな地形と混沌から生まれるエネルギ−が、今現在も成長を続ける街、ラパスの魅力を創り出しています。


日中、溢れる程に集まった人々が、夜になると一斉に帰路に着き、街から人がいなくなる様子を眺めているだけでも、この街に暮らす人々のエネルギ−の大きさをひしひしと感じさせられます。

つづく


コロニアル中都市 スクレとポトシ

ボリビア南部に位置するこの二つの都市、どちらもコロニアルタウンではありますが、それぞれ、趣が他の街や都市と大きく異なり、独自な魅力に溢れています。


まずはスクレについて

憲法上この国の首都であり、数々の歴史的な出来事の舞台として存在してきたこの街。現在は最高裁判所を残して他の機能はラパスに移った為、落ち着いた一地方都市としての穏やかな時間が流れています。


↑最高裁判所


この街が有する独自な魅力が建物の色です。条例により、街中の建物が白く塗られ、街はとても爽やかで、気持ちのよい印象を与えます。


↑中央市場に隣接する教会


↑カテドラル


街の胃袋である中央市場と、かつて政治の中心だったアルマス広場には人々が集い、首都ラパスとはうって変わって皆、おだやかに暮らしている様子がうかがわれます。







高台にある教会のコロネードからの眺望


この街の穏やかさ、落ち着き感は、やはり街が白一色に統一されている事に起因するものです。

規則や決まりで個々の個性を一見奪っているように見えても、街全体、人々が同じ方向を向いている事で独特な魅力が生まれ、また色に自由が無くとも、素材、形態、にそれぞれの暮らしの個性を表す、この街の姿を目にすると、日本の景観条例や風致地区における、単に彩度の高い色を用いてはならない...といった通り一辺倒の決まり事の将来予見の無さが残念に思えてなりません。

条例や規則が街の魅力になりえる具体的な好例として、この街はとても意義深い場所です。


つづく
Seeyouかわいい


銀の街ポトシについて

この街もスクレ同様、ボリビアの南部に位置する穏やかな一地方都市です。かつて植民地時代には、セロ・リコ鉱山から産出される金や銀によって繁栄し、またスペインに多額の富をもたらした事でも有名です。この街には当時造幣局が置かれスペイン本国の貨幣もこの街で作られていました。


造幣局のエントランス


この繁栄が都市形成にもたらした魅力的な建築物の代表が、町に点在しているカテドラルや教会建築に付随する「鐘楼」です。





起伏のある街路を息を切らしながら歩いていると、ふと道の隙間から鐘楼が次々と目に飛び込んでくる、そんなシ−クエンスの変化にとんだ街が形成され、世界で最も標高が高く、薄い空気のまちに暮らす人々の生活に、心理的変化とリズムをもたらしています。

街からは前述の赤い山、セロリコ鉱山も目にすることが出き、視覚的な変化にさらなる奥行きを提供しています。









富が集まると人は天を目指す。

イタリアにある塔の町サン・ジミニャーノやNYの摩天楼、バベルの塔...人間の欲求はいつの時代も共通で高さは富と権力を象徴する一手段ですが、年月を経て落ち着いたこの街にあって、これらの塔や鐘楼は、愛すべき街の一要素として穏やかに生活に溶け込んでいます。


それではまた
Seeyouかわいい


鉄の時代の繁栄 サンチアゴ

日本と同じく南北に長い国土のほぼ中央、穏やかな気候帯に属するこの大都市には総人口の1/3以上が暮らしています。

他の都市と同じく、クアドラ、エスキ−ナで構成されたこの大都市は、市庁舎や郵便局、宮殿など、植民地時代の建物が数々残るアルマス広場を中心とした旧市街と、都市中央を横切る幹線道路沿いに広がるオフィスビルなどの商業エリア、そしてその周囲に広がる居住地域によって構成されています。


経済発展目覚ましいこの都市には、地下鉄、高速道路が整備されすべてが前述の幹線道路に、容易にアクセス出来るように計画された近代都市といえます。

しかしながら、街の建物の多くはネオクラシックやネオゴシック、ネオロマネスクなどの様式である為に、街歩きの際には中世から続くヨ−ロッパの何処かの街にいる様な、おかしな錯覚を覚えます。














様々な様式の建物の中でも、非常に特徴的で目を惹きつけるのが鉄とガラスで構成された建築物です。19世紀末の産業革命により、鉄が時代の象徴として人々の生活に彩をもたらした繁栄の時代の栄華を、それらは感じさせてくれます。










ビルとビルを結ぶ連絡通路、商店のサイン、市場や美術館などの大空間天井など、街のそこらじゅうに魅力的なアクセントとして、それらはひっそりと存在し、当たり前に人々の心象風景の一部として溶け込んでいます。

中でも、最も時代を表しているのが中央駅です。





パリのエフェッル塔と同じく、グスタフエッフェルの設計によるこの駅舎は、鉄とガラスの時代のまさに象徴であり、今も現役でこの街に鉄道で訪れる人々を迎える玄関口として、都市の顔としての機能を果たしています。


ところで、地形的にアンデス山脈と海岸山脈に囲まれたお椀状の盆地に築かれたこの街は、高層ビルのはざ間から、アンデス山脈が時折顔をのぞかせます。高層ビル、アンデス山脈、都市を立体的に肌で感じ、奥行を感じられる市内のサンクリストバルの丘やサンタルシアの丘には、チリ人観光客と諸外国からの旅行者などが集まり賑わいを見せています。







その他、街に点在している教会や歴史的建造物、コロニアルム−ドに溢れる通りが大都市に特有の無味乾燥な感覚を和らげ、経済発展を遂げつつも人々が自然に広場や通りに溢れる、都市の魅力を未だ残す、稀な大都市としてこのサンチアゴはとても興味深い街です。


つづく


稀有な町並みバルパライソとチロエ島1

世界各地に存在する、そこでしか見られない街並みや風景、気候や地理、生業に起因し、独特で特徴的かつ人々に愛され心象風景に焼きついている、そんな街がチリには多くあります。

まずはバルパライソについて

サンチアゴから南へ120Km程に位置するチリ最大の港町であり、市内には近年移転された国会議事堂や海軍本部などの重要建物が見られます。

古くから開港都市として栄えたこの街の魅力はこれらの建物もさることながら、海岸沿いの急峻な地形に起因する特異な街並みにあるといえます。

海岸に近い平坦部分には商店や市場、店舗などの公共的なスペースが集約され、商業、政治の中心地区として計画されています。


輸送、移動の拠点となる港にこれらの施設を隣接配置する事は他の港町にも当然に見られますが、バルパライソではこの平坦地が経済規模に比較して極端に狭小であった事から、居住や小店舗などは、残った隣接斜面に配置するほか無く、住宅や商店などがひしめきあうように、密集して建築されたことでこの特異な街並みは誕生したと考えます。




ここで興味深いのが街の建物多彩な色彩です。密集し、息の詰まるような
間隔で配されたはずの建物が、それぞれ個性豊かに、鮮やかにパステル
カラーの色彩放ち、むしろ街のイメージは楽しげで、おもちゃ箱の中の積木
のような印象を与えます。












しかし、この様な斜面の街に暮らすことは、買い物や移動など日常場面で
当然に不便が多く、住民の負担となります。 この負担を軽減する工夫が
このまちにはあるのです。

それがアセンソールという乗り物です。


密集する建物の隙間に隠れるように設けられた電気式でアナログなエレベ−タ−は、市民から愛され、地域住民の足としてもはや欠かせないこの街の象徴的な存在です。





愛着、哀愁といった様々な感情を呼び起こす、このアセンソールが積み木の街をより楽しげに、また負担の大きい斜面の暮らしをむしろ楽しげなものにかえています。




地理的な不利要因を乗り越える人々の知恵・工夫が、この街を快適に、そして楽しく暮らせる街に造り上げ、結果、独特で稀有なこの”天国の谷”は複合的に、世界でも独特で稀有な都市として形成されたのだと考えます。



チロエ島につづく
Seeyouかわいい



カレンダー

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>

お問い合わせ

間 建 築 研 究 所

(あいけんちくけんきゅうしょ)
 一 級 建 築 士 事 務 所


注文住宅/共同住宅/賃貸/別荘/ほかホテル/レストラン/障がい者福祉施設/児童福祉施設/老人福祉施設/高齢者福祉施設/介護老人保健施設/保育所/幼稚園/学校教育施設/病院/医院/クリニック/ショップ/店舗/オフィスなど建物造りのパートナー。

秋田県ほか岩手、青森、宮城、山形等、遠隔地もご相談に応じます。

新築、増改築やリフォーム、インテリアデザインなどの相談は随時無料で受付中です。

 所在地 アクセス案内
 秋田県秋田市千秋矢留町5-1
  メゾンドセドール1002号室
 TEL 018-874-7301
 FAX 018-874-7302


  営業時間 9:00〜18:00
  (休日:土、日、祝)


 □公式ホームページはこちら
  

閲覧中

カテゴリ別

過去記事

recent comment

recent trackback

リンク

あいけんちくけんきゅうしょ

筆者の公式サイト

サイト内検索

その他

mobile

qrcode