未来の秋田を造る卵の巣

先日、新しく完成した秋田大学の学生寮を見学させていただきました。

設計は渡辺佐文建築設計事務所さんで、担当の加藤さんにご案内いただきました。

このプロジェクトは、公募型プロポーザルにて案を募り実現したもの。
筆者も前職(汎設計)在籍時に担当としてプロポに参加し、いわゆる もって行かれた(笑 案件なのでずっと関心を持っていました。

と前置きはさておき、早速紹介。



こちらは前面道路のからの建物の眺め。
ソリッドでシンプルモダンな意匠計画。



集合ポストへのアプローチにはエントランスウォール
が設けられ、秋田大学 西谷地寮のサインが輝いています。





ヤブコウジの植栽を脇に、建物に入ると、そこは
集合ポストのある空間。

この部屋は、木毛セメント板にローラーで塗装が施された表情ある壁。



一般には仕上げ材には用いられない材料ですがコストを抑えつつ楽しい素材の表情を生かしての採用との事、ポストのステンレスとの対比が生きています。


続いてこちらは寮生たちのエントランス。

かざすだけで開錠される、オートロックシステムの機器は、両サイドのスチールパネルにデザインとして取り込まれています。


天井はツインカーボ(ポリカボネート板が2層になった材料)が用いられ光幕天井となっています。


各室への入室は暗証番号キーシステムが用いられ入居する学生は鍵を持つ必要は有りません。



内部は学生寮ですので慎ましやかな1ルーム。にしても風呂トイレ・キッチン付はやはり時代の流れ。




秋田市民になじみの深いお隣の北光寮から見るとその差は時代の隔たりを感じます。



最後に建物の外回りの紹介。


ランダムに配された、印象的なベランダ手摺。


それぞれ納まりを変化させ段階的な表情の垂直開口部。


スロープ周りの手摺の表情。


ご興味のある方はこちらを目指せばたどり着けるはず。




みなさんに馴染み深い北光寮の隣り。

それではまた
Seeyou!かわいい










ホーベルマン・スフィア

ちょっと面白おもちゃの紹介。

右の小さな球体があっとゆう間に拡大変形!



想像以上の変化に驚かされるこのホーベルマン・スフィアはNYで活動を行うチャック・ホーベルマンの作品。

凝り固まった頭の回路を解きほぐしてくれそうな発想豊かなこのおもちゃ、こども達だけのものにしておくにはもったいない。


壁に投げて衝撃が加わると色の変わるボール、スイッチッピッチ、心が弾むような玩具。



他にも、こんな変形するオブジェなども手がけるチャック・ホーベルマンのHPはこちら。

http://www.hoberman.com/home.html

変形する構造体を建築的にも展開する建築家としての活動にも注目です。


それではまた
Seeyouかわいい


写真はPingMagMAKEより引用

春の縁起物&建築家 岡田新一 秋田での仕事

 
菜の花と桜、春感満載のこの風景!

毎年、この時期ニュースで報道され季節の縁起物的な感覚すら覚えるこの風景。何処なのかは想像にお任せします。


この場所から、車で10分ほどの建物は建築家 岡田新一氏の設計によるもの。
皆様ご存じの最高裁判所や警視庁本部庁舎の設計者として有名な方。

大潟干拓博物館と道の駅が併設され、白くうねる特徴的な屋根が印象的なこの建物。
異なる向きにダイナミックにカーブを描いていますが、大潟村のスケール感覚からすればちょっと小さくも感じます。

この日はゴールデンウィークということもあって駐車場は満車。

大潟村干拓博物館は無料開放され、連休を楽しむ大人や子供で施設は大賑わい。

大屋根が構成する空間は、八郎潟干拓の歴史を紹介する大空間。



1分の1スケールのジオラマ展示.....というか実車のトラクター!!。


Rice is nice!  大潟村 と表記された米袋を積み上げた展示。

米って素晴らしい!

戦後の食糧難を切り開く大規模農業のモデル農村だった大潟村。
現在、この道の駅では減反という国策の皮肉にも負けじと、付加価値の高い特産品が訪れる人々の購買意欲をかきたてています。

それではまた
Seeyouかわいい

建築家 毛綱 毅曠 秋田での仕事 鵜木小学校

男鹿市立 鵜木小学校(元:若美町立鵜木小学校)の設計は建築家 毛綱毅曠氏。

私が建築学科の学生だった頃初めて出会った建築家、つまりはガッコーの先生だった方。
サスペンダーが似合うちょっと小太りなおしゃれなオジサン!
などと勝手な事を言っては怒られそうなので....早速紹介。


学び舎は完成から20年以上の時を経て、健康的に歳を重ねた独特の魅力を放っています。
外壁に張られた木材も、風化による味わいを醸し、コンクリート打ち放しの円筒部分との対比がより強調されています。



建物は校舎棟と体育館棟及びその二つを繋ぐ連絡通路により構成され、部分から全体にわたり建築家の意思が垣間見られます。

子供たちの学び舎にふさわしい、いわゆるただの箱ではない、メッセージを持った建築。
 




渡り廊下と体育館の取り合い部はコンクリート、鉄、木材を生かしながら接続。



宇宙船か秘密機地を思わせる独特な意匠の体育館。







教室は中庭を囲みドーナツ状に配置され、生徒の昇降口となる緩やかなアーチからは外部が覗けます。




中庭に設けられた螺旋階段はこども達の遊具としての側面も意識された遊び心ある意匠。

街で多数見かけるシンプルでスマートな建物とは一線を画するマイナーで独特なこの建築。
建築が持つ社会的意義や影響力と真正面から向き合い、思想や哲学を設計のベースに置く毛綱さんらしさが表れています。

残念ながら2001年に享年59歳の若さで亡くなられましたがその意思は建物と共に今も生き続けます。

Seeyou!
かわいい


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建築家 坂茂 秋田での仕事 ‖膣朸覆欧錣辰僉

こちらは秋田県大館市にある今井病院の付属託児所。

コンテナを斜めにして、地中に埋め込んだような一風変わったその概観。
 
設計者は建築家 坂茂(ばんしげる)、JR田沢湖駅の設計者でもあります。

常に新しい構造を探求している構造系意匠建築家?

  ↑ 構造家ではないという意味です。↑

コンクリートパイルを上部構造に転用したり、エンジニアド・ウッドの可能性を拡げるなどその探究心は構造家にも勝るとも劣らず。

極め付けが ”紙” の建築。 

紙管を建築構造材料として用いる紙の建築家としても世界的に有名な方。



早速ですが建物のご紹介。

建物を貫通する円筒形に曲げられたプライウッドのリングが連続する、トンネル空間がこども達の託児スペース。規則正しく配されたプライウッドをとめるボルトがドット模様を形成しています。




建物妻面の円筒(内壁)と折板(外壁)には半透明ビニール素材が用いられ内部に、外光を導いています。





同じく、外壁素材の折板に半透明(FRP)と不透明(スチール)を交互に使用する事で豊かな光環境を建物に与えたもの。


建築の全体、部分のいたる所から積極的な挑戦心が感じられるチョット刺激的な建物です。

ちなみに、この建物の隣にはもうひとつ坂さんが設計した今井篤記念体育館があります。


紹介は後ほど
Seeyou!かわいい


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小坂鉱山事務所 西洋風日本

二人の少女が出迎えてくれるのは....



小阪鉱山の繁栄の歴史を象徴する建物、鉱山事務所。


シンメトリックで端正なその姿に当時の鉱山の隆盛と活気が感じられます。

正面エントランスの上部、木彫装飾付バルコニーが全体を引き締め建物に品格をもたらしています。



西洋では王様や貴族が、民に姿を現す際の場所として広場に面して設けたり、景色や眺望を楽しむ場所として利用されたりもするこのバルコニー。

元々は建物に迫ってくる敵に矢や石などを放つ目的で積石建築建築から張り出す必要から考え出されたアイディア。



イスラムのムガール帝国がインド進出の折に自分達の建築様式である積石造に涼を求めてベランダを数多く設置したことから、こうした張り出しを持つ建物はサラセン風(インドイスラム風)とも総称されます。

まるでデザインは違いますが、皆さんご存知の秋田市立体育館(設計 渡辺豊和)もサラセン風の建物。


エントランスを入るとこの建物が持つ魅力的な特徴の一つ螺旋階段が姿を現します。




螺旋階段のうねる手摺は何故かセクシーで妖艶。


続いて、こちらは床のディテール。

板床の上に、ゴザを敷き、さらにビニールマットを上から鋲留め。

西洋風建築といえど構造や仕上げは、全てに日本建築そのもの。靴を履いて板敷きの床を歩く際の頼りなさと、音の不快感の解消が目的で工夫が施されたと思われます。


屋根は木材で葺かれています。

上の写真のようにカットされた板材を重ねていくと....


全体として奇麗な菱形が整列する菱葺き。雨漏りや老朽化部分を容易に補修が可能な工夫。

ちなみに以前に紹介した南米チリのチロエ島ではこの葺きかたが建物外壁に活用されています。




続いてベランダの木彫装飾。

サラセン風とは言えど、建設に関わった職人は紛れもなくニッポン人。
イスラムの繊細で線的な植物文様や幾何学文様とは違い、蓮の花を思わせる透かし彫りの意匠はどこか仏教的な魅力を醸し出します。



ちょっとした建築金物も明治の手仕事を感じさせてくれます。

真鍮製クレセント。



捻子締り(ネジシマリ)

こちらも最近見かけなくなりましたね〜。



設計総責任者、今で言うところの建築家は北湯口 勇太郎。
  



最後に建物内部からの光景を一枚。

この日本家屋的な陰影は、この建物が西洋風でありながら、れっきとした”日本建築”である事を実感させてくれます。


ではまた
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JUGEMテーマ:建築/旅
 

建築家 坂茂 秋田での仕事◆ゝ儀織鼻璽

今井病院の付属託児所につづいて隣接する今井篤記念体育館の紹介。

こちらの設計者も同じく建築家 坂 茂 氏。

建物エントランス部分。



エントランスとなる三角形状と体育館屋根のドームの緩やかな対比が印象的。
カメラの都合で全体を撮影できませんでしたが、上の2枚の写真を左右に繋げた亀のような形。



エンジニアウッドとスチールで構成されるドーム(亀の甲羅部分)にはFRPが縞状に配され、内部に光を導く仕掛け。


シャープでエッジの効いたエントランスの表情。

こんな奇抜な建物にもかかわらず、屋根以外の部分が地中に埋められているからか不思議と周囲に溶け込んでいます。


最後にエントランスの床タイルの紹介
小さな丸タイルのモザイクがいい味出してます。

ちなみに坂さんも私が学生だった頃の先生。身の回りのなんでもない品々を建築に昇華できないか常に探求し続ける方でしたので、きっと先に紹介した付属託児所の円筒形は”曲げわっぱ”が発想の根源かなと想像しながら建物見学。


それではまた
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オームの行進!

またまたカメラの都合で全体が入っていませんが...

なにやら巨大生物、オームが行進している姿に見えなくもない。

周辺の木造旧家のスケールとの開きに不思議な感覚を覚える、こちらは大館樹海ドーム。
(1997年度芸術選奨文部大臣賞(美術部門)、グッドデザイン賞(Gマーク)施設部門受賞、第8回 松井源吾賞)

周囲を水盤に囲まれ、涼しげな足元はドームの架構を支えるに十分なボリュームのRC構造。

設計は今をときめく建築家伊東豊雄氏と竹中工務店の共同。


秋田杉集成材によって構成される巨大空間は圧巻。

規則的に並ぶ各接合部分は、外周部分にリズムをもたせ、樹海ドーム独特の雰囲気を醸し出します。



変わって、こちらは付随するパークセンターのエントランス。

建物からせり出すこのエントランスウォールは天然の木製で、風雪に耐えた末の表情がいい味を醸し出します。

こちらはアプローチ部分に敷き詰められたピンコロ。

細かく立方体に分割された天然石。十和田石?が人々を建物へと誘導します。


近年、特に住宅建築ではサイディングやプラスチック樹脂などが、その汎用性と価格、耐久性の面から多用され、地場産材の出番が減少しています。

流通の合理化や経済合理主義...抗う事の出来ない大波ですが、街の魅力はそれぞれの地域の地場産材が街全体に風景の一部として存在し、溶け込む事によって創り出されます。
建物の味となっている天然素材を目にすると、改めて。設計者自身が積極的に、費用や耐久性などの諸問題に向き合い努力すべきなのだと感じさせられます。

ちなみに、この樹海ドームの架構は地場産の秋田杉集成材。加工は地元大館の秋田グルーラム株式会社。林産県秋田が誇るエンジニアリングウッド技術を持った会社です。


最後に、一般の方からすると?と思われるかも知れないお話をひとつ。
 
「木材は鉄やコンクリートより引張りも圧縮も強度は上」

感覚的には信じられないかもしれませんが、じつはこれ設計屋の常識。大空間を構成する際の構造的合理性も兼ね備えています。ご興味ある方は 「単位重量当り」「強度」「木材」 をキーワードに検索などして見るのも宜しいかと。

ではまた
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かわいい交番

久しぶりの土崎駅前で見つけたこの建物。

秋田県警土崎駅前交番。
 
丸窓が3つ縦に並ぶ正面入り口。

この顔見たら要注意で有名なあのポスターを表示する角丸の掲示板も、建物と同じ白一色でコーディネートされています。


この交番の外観で最も印象的なのがこの軒天井。


Rに張られ壁と一体化するこのデザインと、小屋裏換気の通風孔がなんとも愛らしい雰囲気をかもしだします。お堅い警察の雰囲気を払拭し、より身近で強い味方おまわりさん的イメージアップに貢献するシンプルキュートな建物です。

設計はおそらく秋田の建築家 加藤一成さんかな? などと想像しつつ楽しく建物見学。

違ってたらどなたかコメントください。

natural+αさん、コメントありがとうございます。
アルファプランウェーブさんの設計だったんですね。
設計者は女性かな?
建物がかわいいので単純にそう思ってしまいます。


それではまた
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自戒の廃墟

学校統合で現在はひっそりとした佇まいの角館町立西長野小学校。

設計は秋田市立体育館のと同じく渡辺豊和氏。

秋田県出身の建築家。


エキゾチックな建築要素を記号のようにちりばめた一種独特な建物。
 
多様な屋根形状が作り出す表情豊かで独特な外観。


中庭に設けられた野外劇場へと導く、うねるゲート。


緩やかに湾曲する切妻屋根。


シルバードームが鎮座するピラミッド。


外部装飾が作り出す深い陰影が、アラブの宮殿を思わせる、表現力豊かな学び舎も、今は、主を失ったイスラムの城砦かのように寂しげな趣。

建築はそこに暮らしや、生活の風景が存在する事で鮮やかに成り立つ。

わずか20年弱で子供たちの姿が無くなったこの光景は、

”建築は暮らしの中に生きる”

という自戒を我々設計者に感じさせる。


それではまた
Seeyouかわいい

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